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2017年8月 4日 (金)

北アデビュー戦 燕岳→常念岳 その2

 ・大天井まで
 午前4時頃,館内の明かりがつくとほぼ同時に,昨夜食堂でアルペンホルンを吹いていたオーナーさんの声が足元で聞こえる。曰く,明るくなったらヘリコプターで降りていただく,ご家族にまだ連絡が取れない等々。

 後で調べたら,70歳を超える高齢の方が加減を悪くされたという事案だった模様。流石は表銀座の玄関口,様々な方がいらっしゃるものだと痛感。

 日の出はどうやら拝めないようなので,先に朝食をいただき,0500燕山荘出発,大天井を目指す。宿を出たころは青空が広がっていた。

 登りも下りも人で一杯だった昨日の合戦尾根とは打って変わって人はぐっと少なくなる。そもそもこの時間だと向こうから来る人は皆無なので,抜くか抜かれるかのどちらかである。テン泊装備の,私より確実に年上のオジサンが凄い勢いで抜いていき,あっという間に見えなくなる。小屋泊まり装備のオネーサンも同様に彼方に去っていく。流石北アルプス,もの凄い鍛え方をした人がゾロゾロいるエリアなのであろうなあというか単に私が遅いだけか。

 今回のコースで,一番楽しみにしていたのが燕山荘から大天井までの稜線歩きである。実際に歩いてみると期待以上に楽しく,そして辛かった。右手には槍をはじめ北アルプスの絶景がこれでもかと目に入る。左手,遥か向こうで噴煙を上げるのは浅間山か。ボヤっと影が見える三角錐の山は昨年ピークハントしたアレであろう。燕山荘から大天井までの間に,いったい何枚の写真を撮っただろうか,嗚呼,思い出すだけでニヤけてしまうわ。

 で,朝一のこの時間,稜線ルートが東斜面を通る時には,無風状態の中太陽がジリジリと照り付けひたすら暑い。その後,ルートが西側に回ると,今度は下からの風が吹きつけ,震え上がることになる。これら過酷な状況に加え,想像以上のアップダウンが容赦なく体力を奪ってゆく。日本の屋根を歩くということは実に大変な作業ではあった。

 喜作レリーフを過ぎ,大天井への壮大な登りを何とか終え,大天荘に荷物をデポして頂に登る。標高2922メートルは,富士山に次いで我が人生2番目のピークハントとなった。

 ・常念岳
 0840頃,大天荘を出て常念小屋を目指す。基本下り基調だが,一部雪渓があり,岩稜もあり,アップダウンも厳しく,体力が減っていく。

 燕山荘を出た頃は「今日中に常念岳山頂ゲットして,そのまま一の沢から下山してもいいんじゃねえの?」とか目論んでいたのだが,大天井に着く頃には,素直に常念小屋でもう一泊する心づもりになっていた。

 東大天井を過ぎた辺りでザックを降ろし,コーヒーを飲んでいたら,突如ガスが出てきてあっという間に曇り空に転じた。山の天気というのは,こういう場所のことをいうのであろうなと感心してしまう。

 1130頃常念小屋到着。受付を済ませ荷を下ろす。既に到着して宴会を始めてるグループもある中,自炊場所で湯を沸かし,モンベル謹製カレーリゾッタを食す。望外に旨くボリュームもあった。お勧めですぜ。 

 1241,アタックザックだけ持って常念岳を目指す。今回の工程の中で一番ハードだったのがこのルートだと思う。アタックザックで行ったのは正解だった。テン泊フル装備とかで登れる自信,ありません。

 ほぼコースタイム通りに山頂をゲットするも,ガスで視界は全くなし。足場もあまりよろしくないので,早々に退散する。途中で雨が降り始める。アタックザックにレインウェアを入れ忘れるという痛恨のミスをしてしまい,そのまま濡れながら小屋まで戻る。

 その後は,にぎやかな小屋の中,「岳」を読んで過ごし,夕食後は,寝酒にカップワインを煽って床に入る。が,眠れない。3階に寝場所をもらい,布団1枚のスペースは確保したのだが,この小屋も無性に暑い。しかも布団が短くて足を延ばせない。加えて消灯の21時を回っても電気が消えない。山小屋泊まりはここが4か所目となるが,ここまで眠れない小屋は初めてだったかもしれない。平日とかなら,また印象は変わるんだろうか。いつか平日にここを訪れる機会はあるんだろうか。

 ・下山
 三日目最終日,4時過ぎ起床。0430頃から朝食にありつき,0500宿を出る。スマフォからタクシー会社に電話して,0815に来てもらうよう予約を入れる。

 出発時点で小雨,だったのでレインウェアの上だけ着て一の沢を目指す。ひたすらの下りで,幾度か沢を渡るルート。幾人かに抜かれ幾人かを抜き,下界を目指す。気を抜いて何でもないところでスリップしたっけな。

王滝ベンチ以降は鬱蒼とした森の中を歩む感じとなり,雨も本振りとなる。が,こういう雰囲気が嫌いではなく,なんだかワクワクしてしまうのはどうしてなのだろう。いつまでもこの時間が続けばいいのにと思いつつもタクシーの予約時間を勘案するとのんびりすることもできず,後半は結構すっ飛ばして歩き,0810頃下山。余韻に浸る間もなく,予約タクシーがやってきて,9時過ぎには穂高駐車場着。雨の中,登山靴をクロックスに履き替え,北アルプス初挑戦は無事に終わった。

 その後,周辺温泉情報を漁り,0930から営業していた安曇野しゃくなげの湯で汗を流し,あとはひたすら曇り空の下,中央道を戻って自宅を目指す。SAに入る度に雨が降る展開は萎えた。昼食に食べたローメンはゴムの食感であった。猛烈にぶっ飛ばしてる自動車の後ろに付いていったら,後ろから覆面がやってきて(以下略)

 ともあれ,二泊三日の工程を無事計画通りにこなせたことを,まずは喜んでおく。と共に,次の工程も考えなければなるまい。昨年の富士登山は,達成すればそれが一つのゴールであり,「あがり」であった。北アルプスデビューはまさに「デビュー」であり,この先にも歩くべき道程は果てしなく広がっているのである。

 次は槍でも目指すかね。

 

 

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